2008/07/07 (Mon) 孤独死判明から８ヶ月、都市再生機構UR家賃引き落とす

死人に口なし、孤独死老人に退去届けなし　…ってことで？！
既に死亡が確認されているにもかかわらず、死亡後８ヶ月以上経った今も、入居者の口座から、毎月３万円の家賃を引き落とし続けているUR（都市再生機構、旧日本住宅公団）…。
これって、非常にこういう ↓ ケースと似ていると思うのですが、やっぱり「詐欺」ですか？！

父親が死亡したにも関わらず、年金を引き続き受給する為に、死亡届などを出さずに、社会保険庁から年金を騙し取ったとして、兵庫県警長田署は6月25日、詐欺容疑で神戸市の無職男性（50歳）を逮捕した。
この無職男性は、2008年2月から6月にかけて、年金合計約89万円をだまし取った疑いで、本人も容疑を認めている。

（参考：スポニチ　2008年06月26日）

こういう、オンボロ公団住宅に住んでいた男性が裕福であったとは、とても思えません。手前勝手な推測ですが、口座には預金なんて、ほとんどなかったでしょう。それがずっと、８ヶ月以上、毎月の引き落としに耐えられるとは…　細々とした手続きをしてくれる身寄りがなかったのをいいことに、社会保険庁に届出を出さず、年金を振り込まさせて、そこから「家賃と称して引き落としていた」としか思えないのですが、…あまりにもはっきりと、現代日本社会を捉えすぎたニュースですね。  

羽衣国際大の岸本幸臣教授（住居学）は、「入居者が亡くなった時点で、民法上の賃貸借契約は解約されたと解釈すべきで、その後の家賃徴収は違法だ。」と指摘されていますが、わざわざ指摘されなくても、誰もが「そうだろうな…」と思う程度のことが、URには理解できないようです。ボロくなったので、取り壊してリニューアル…したいけど、再編に伴って建て替え計画は白紙撤回され、、かと言って、新たな入居者を募るわけにもいかない状況では、文句も言わず（笑）お金を払い続けてくれる死人は、非常に有難い入居者なのかもしれません。だから、部屋を片付けもしないで放置している、と。しかし、それならば「利益確保のため意図的に放置したと見られても仕方がない」（経済アナリストの森永卓郎さん）ですね。


ニッポン密着：７６歳孤独死、８カ月後の今も家賃
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080706ddm001040065000c.html
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080706ddm001040065000c.html

都市再生機構（ＵＲ、旧日本住宅公団）の賃貸住宅団地で、居住者が孤独死した後も、ＵＲが家賃を金融機関口座から引き落とし続けていることが分かった。部屋も死亡時の状態のままにされている。ＵＲは「退去手続きや残された財産管理の引き受け手がないためのやむを得ない措置」としているが、違法性を指摘する専門家もいる。居住者の高齢化などで孤独死が急増している状況の中、法的な整備を求める声が出ている。

東京都足立区の花畑（はなはた）団地。福岡県出身の７６歳の独居男性が昨年１０月２２日、４階の自室で病死しているのが見つかった。同じ階段を使う住人が異変に気づき、管理事務所に連絡した。
遺体は、１ＤＫの居間で布団に横たわっていた。目を開き、天井を見上げていた。孤独死だった。部屋の主がいなくなって８カ月以上もたつのに、ペン書きで「イシマル」とある郵便受けには今もはがきや封書が届く。部屋のベランダでは洗濯物が風に揺れている。男性の身寄りも分からないにもかかわらず、ＵＲは男性の口座から毎月３万円前後の家賃の引き落としを続けている。